第40章

病室は不気味なほど静まり返っていた。

どれほどの時間が過ぎたのか。やがて、和也は無言のままボイスレコーダーを受け取った。

再生ボタンを押すことはなく、その視線は葵の顔に注がれたままだ。

「雪菜は……」

今回ばかりは、どうやって雪菜の言い訳を作ればいいのか彼にも分からないのだろう。

葵の瞳に冷ややかな嘲りが過った。

「あなたが何を言いたいかは分かってる。和也、私、警察に通報してもいいのよ」

「通報するだと?」

和也の目が複雑な色を帯びた。

少し考えてから、葵は首を横に振った。

「今はまだ通報しないでおく。でも、誓ってちょうだい。もう二度と梨乃に八つ当たりしないこと。彼女の仕...

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