第54章

一方、その頃。

和也が駆けつけたとき、雪菜は布団にすっぽりと包まり、小刻みに震えていた。

顔面は蒼白で、小さな顔にはまだ涙の痕が残っている。

和也の姿を認めた途端、彼女はもう耐えきれなくなった。

雪菜は勢いよく布団を跳ね除け、手首の包帯から血が滲んでいるのも構わず、和也の胸に飛び込んだ。

声を詰まらせ、途切れ途切れに口を開く。

「和也……やっと来てくれた……すごく怖かった……」

和也の体が微かに強張る。

だがすぐに手を伸ばし、雪菜の背中を優しく叩いて、できる限り穏やかな声を出した。

「怖がらないで。俺がいる」

雪菜は彼の胸に顔を埋め、その涙がシャツをぐっしょりと濡らしてい...

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