第197章

星川千奈の声が聞こえたのだろう。永太はとろんと目を細め、甘えるように小さく呼んだ。

「ママ」

星川千奈は手を伸ばし、鳴瀬颯真の腕の中から永太を受け取ろうとする。けれど鳴瀬颯真は彼女の足の怪我が気になって、反射的に制するように腕を引いた。

星川千奈は軽く首を振る。

「大丈夫」

彼女はしっかりと永太を抱き上げ、頬にそっと口づける。声は柔らかい。

「どうしてこんな遅くまで起きてるの?」

「ママを待ってた」

永太は星川千奈の首に腕を回し、ちゅ、とお返しみたいに頬へキスを落とした。

「鳴瀬おじさんが、明日は週末だから遊園地に連れてってくれるって言ったの。ぼく、約束した」

星川千奈は...

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