第202章

永太は、ウェディングフォトを見たことがあった。R国の家でも――ママの部屋に一枚、飾られていたからだ。ただ、その写真でママの隣に立っていたのは、彼のパパである西園寺蒼介だった。

「鳴瀬おじさん……?」

永太が小さな顔を上げ、戸惑いの視線を鳴瀬颯真に向ける。

鳴瀬颯真は数秒、言葉を失った。それからゆっくりと永太の前にしゃがみ、目線を合わせる。

永太の腕をそっと掴み、胸の奥で息を呑んだ。

――こうなることは、分かっていた。

永太がここに住んでいる以上、いつか必ずこの写真を目にする。なのに自分は、先に外しておかなかった。私情が勝ったのだ。永太に、星川千奈との関係を知ってほしい。そんな浅ま...

ログインして続きを読む