第216章

鳴瀬颯真のほうが速かった。容赦なく一撃で彼女を蹴り倒し、床へ転がす。

永太が「うわぁぁん!」と泣き出した。

物音と泣き声に気づいた者たちが、次々と顔を出す。

鳴瀬芽衣の両親は、娘が颯真に蹴り飛ばされて仰向けに倒れているのを見た瞬間、怒りに任せて駆け寄った。芽衣を抱き起こしながら、颯真を責め立てる。

「颯真、あんた何してるの! 芽衣は妹でしょう!」

だが颯真は、そんな声など耳に入らないかのように、星川千奈の前へしゃがみ込んだ。

「千奈……」

「……大丈夫」千奈は、まだ声が出た。

永太は泣き止まない。

「ママ、大丈夫だよ。永太、泣かないで」

鳴瀬玲也の彼女が慌てて駆け寄り、永...

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