第218章

運転手が車を回してきたのに、鳴瀬芽衣は両親に続いて乗り込まなかった。

「パパ、ママ、先に帰って。あとで私、自分で帰るから」

言い終えるより早く、芽衣は風みたいに駆けだした。

「鳴瀬芽衣!」

背後でどれだけ呼ばれても、振り返らない。

芽衣は通りへ飛び出し、行き先も決められないまま歩いた。胸の中は悔しさと怨みでいっぱいなのに、どこへ向かえばいいのか分からない。結局、街角を彷徨い続け、空が薄暗くなってから、ようやく鳴瀬家の本邸のほうへ、のろのろと足を向けた。

一方、刑務所では小林琴音が、偶然テレビの経済ニュースを目にしていた。

鳴瀬グループの年間総括が流れる中、最後に一瞬だけ映り込ん...

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