第229章

「ママ……」

永太が病室のベッドへと飛びつき、星川千奈を見上げた。小さな喉がひくりと震え、声がかすれる。

「ママ、やっと起きた……。もう……もう二度と起きないんじゃないかって……!」

「そんなわけないでしょう」

星川千奈は弱々しく上体を起こし、永太の柔らかな髪を撫でた。

「永太がこんなにいい子なのに、ママが起きないなんてできないよ。これからは……もう、永太のそばを離れない」

永太の泣き声はいっそう大きくなり、千奈の腕にしがみつく。

「こわかった……。もうママを失いたくない……!」

千奈は永太を胸に抱き寄せた。心の奥が、ふわりとほどけていく。

死の淵から戻ったばかりの母子は、...

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