第33章

その問いかけは、あまりにも唐突だった。

星川千奈はすぐに我に返り、何事もない顔で言う。

「……別に、何でもありません」

風見逸央はくっと喉の奥で笑った。

「だろうね。鳴瀬颯真の目に入る女なんて、小林琴音くらいだろ。まあ、君も十分イイ線いってるけどさ」

何気ない調子の言葉なのに、胸の奥がきゅっと酸っぱくなる。

「今夜は突然お邪魔して、申し訳ありませんでした。風見社長が私の提案を聞いてもなお、合作にご興味がないのであれば……これ以上は失礼します」

そう言って、千奈は立ち上がり、帰ろうとした。

だが――風見逸央が、彼女の手首を掴んだ。

「そう。君の合作案には興味ない。でも……」

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