第36章

星川千奈はベッドに横たわったまま、さっき書斎で目にした鳴瀬颯真と小林琴音の親密な姿を、何度も頭の中でなぞっていた。

もうすぐ、自分と鳴瀬颯真は何の関わりもなくなる。これから先の彼のことなど、自分には関係ない。そう言い聞かせる。

それでも、裏切られた者が負う傷は、ただ裏切られた痛みだけでは終わらない。胸の奥をじくじくと焼く、惨めさと屈辱――それがいちばん厄介だった。

寝返りを打っても、眠気はまるで訪れない。

千奈は諦めたように身を起こし、ショールを肩に掛けて寝室を出た。

眠れない夜、彼女が向かう場所は決まっている。アトリエだ。

静まり返った深夜は、不思議なほど創作に向いている。余計...

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