第63章

笑ったあと、星川千奈はふと、ひどくくだらないと思った。

「つまんない!」

こんな茶番、もう見ていたくない。

それに――風見逸央の助言と分析をきちんと聞いたうえで、彼女はもう、母が遺したあの資産に執着しないと決めていた。

母が生きていたなら、きっと望んだはずだ。自分らしく、自由にやりたいことをやれ、と。

鳴瀬颯真や風見逸央みたいに何でもできる人間ばかりじゃない。何もかも、労力を注いでまで奪い取る価値があるわけでもない。

昔、母が言っていた。お金なんて、所詮は身の外のものだと。

努力したのなら、後悔はない。

それに、この会社はもう、母がいた頃の姿じゃない。どれだけ心血を注いでも、...

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