第113章

夜半、天宮東輔は別の携帯を取り出し、その中に登録された唯一の電話番号をかけた。

「任務は失敗した。後始末をきちんとやってくれ。私を困らせるな」

「夜中にそんなことだけを言うために電話してきたのか?」

電話の向こうの声には不機嫌さが滲み、目を覚まされた鼻声も混じっていた。

「お前がちゃんと仕事をこなしていれば、私がこんな夜中に心配する必要もなかったんだ」

そう言いながら、天宮東輔は思わず声を荒げた。

「それに、私が手持ちの仕事をきちんとすれば京安プロジェクトが手に入ると言ったじゃないか。今、京安プロジェクトはどうなった?影も形も見えていないぞ!」

「天宮東輔、最後に警告しておく。...

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