第155章

「後ろの車もついて来たぞ!」

頭上の信号機が黄色から赤に変わったが、背後の車は執拗に追いかけてくる。

「大先生、前方に白い車が一台ある。速度は遅めなので追い抜ける。その後、すぐに右折レーンに入って。次の交差点で右折」

天宮和人が口を開く前に、コードの動きを監視していたSEALが指示を出した。

星谷由弥子はSEALの指示通りに前方を走る車を一瞥すると、ギアを入れ、ウインカーを出し、アクセルを踏み込んだ。車の流れの隙間を見事に捉えて完璧に追い抜いた。

追い抜いてすぐに右折すべき交差点が見えてきた。星谷由弥子は素早くレーンを変更し、歩行者がいない瞬間を狙って交差点に滑り込んだ。

「次は...

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