第158章

「改めて自己紹介させていただきます。Jさま、私は葉宮島丞です」

相手は状況を見極めた上で、葉宮島丞は態度を表明した。

彼の態度を変えたのは、結局あの一粒の薬だった。

それは馴染みのある匂いがするだけでなく、最も重要なのは、この薬が喉を通る時、これまでよりも効果が強いように感じられたことだった。

星谷由弥子の言うとおり、命あっての物種。

命がなくなってしまえば、何をしても無駄だ。

彼はそう言いながら、服を整え、手を差し出した。

星谷由弥子は銀針をしまってから、手を取り合った。

「私はJ、そして佐々木神医でもあります」

「佐々木青真?」

葉宮島丞は確かに佐々木青真の顔は星谷由...

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