第189章

「敵襲!」

SEALが息絶えた見張りを床に倒した直後、船内は一瞬にして混乱に陥った。

広々とした甲板から突然、パチパチという爆竹の音が響き渡り、そのすぐ後に、赤々と燃え上がる炎が船室へと向かって迫った。

あっという間に、中にいた人々は一斉に扉から飛び出してきた。

「大先生か?!」

SEALは遠くで混乱する様子を見ながら、すぐに身をかがめて足首に巻かれた縄を調べ始めた。

この混乱に乗じて早く逃げなければ!

「慌てるな、落ち着け……」

「あっ!助けて……」

「熱い、死ぬ……」

「誰だ、こんなことをしたのは、出てこい……」

……

悲鳴、驚きの声、甲板を走る足音、波が船体に打...

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