第278章

「すぐに処理しなかったの?」

 傍観者である星谷由弥子は、話を聞くにつれて好奇心を募らせていた。

 天宮和人は、事態を放置するような人間ではないからだ。

「処理しようとした矢先に、叔父にトラブルが起きたんだ」

「あんたの家、トラブルに愛されてるんじゃないの?」星谷由弥子は思わず感嘆の声を漏らす。「で、叔父さんはどうなったの?」

「プロジェクトの契約に向かう途中で交通事故に遭った。容体は深刻で、病院に搬送された時には医師から危篤状態だと告げられたほどだ」

 よほどの事態でなければ、天宮和人があの件を後回しにするはずがない。

 天宮東輔が契約の場に赴くということは、彼が天宮グループ...

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