第329章

「あの場で自分が何を言ったか分かってるのか? 奴らは殺人狂だ。それなのに自分を囮にするなんて」

「狂人相手には慣れてるわ」彼女の声は少し低くなった。

「あなたの方がよく分かってるはずよ。口先だけじゃ信用されない。今日、十分な価値を示さなければ、人間扱いすらされなかった」

天宮和人は呆れたように笑ったが、その瞳には押し殺した怒りが宿っていた。「だが君は一人じゃない。発言する前に、俺の気持ちを考えたことはあるのか?」

星谷由弥子は一瞬、言葉に詰まった。

「考えたわ。でも、あなたがここにいる時点で、もう奴らに目を付けられてる。これ以上、誰かを危険に巻き込みたくなかったの」

「一人で背負...

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