第354章

天宮和人は天宮家傘下の私立病院へ緊急搬送された。

腕の弾丸摘出は済んだものの、大量出血に加え、強行突破による激しい消耗が重なり、彼は昏睡状態に陥っていた。

特別室の前、星谷由弥子は細い背筋をピンと伸ばして立ち尽くしていた。その身に纏う冷徹な気配は、触れる者すべてを凍てつかせんばかりだ。

ガラス越しに見えるベッドには、天宮和人が静かに横たわり、その枕元には隼組の構成員が二名、まるで仁王像のように直立不動で警護にあたっていた。

廊下は息が詰まるほどの静寂に包まれ、鼻をつく消毒液の臭いだけが充満している。

金髪とHは既に病院のセキュリティシステムを掌握。即席のファイアウォールを構築し、内...

ログインして続きを読む