第491章

死を告げるドラムのように、カウントダウンが鼓膜を叩く。

狂ったように笑う上原と、入り口で銃を構える蠍の仮面の男。その構図は、あまりにも荒唐無稽だった。

一人は心中を望み、もう一人はただ命を奪おうとしている。

仮面の男の狙いは上原夫人ただ一人。彼は銃口を狂女の眉間に向けた。数十秒後にこの研究所が鉄屑と化そうが、彼には知ったことではないのだ。

「させない!」

星谷由弥子は彼の意図を読み取った。

猛然とメインコンソールへ飛び込み、体温の残る勾玉を中央の感応エリアに叩きつける。

コマンド入力ではない。強制乗っ取り(ハッキング)だ。

『警告。最高権限の遺伝子配列を検知……システム、強制...

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