第71章

「それで、ただならぬ場所だと知りながらも、一人で向かうつもりなの?」天宮和人は突然、星谷由弥子に興味を示した。こんな神秘的な場所に挑もうとする人間は珍しかった。

星谷由弥子は答えず、むしろ艶やかに微笑んだ。「天宮社長、今は新時代よ。私は関羽じゃない。単刀赴会の勇気なんてない。人を集めるから」

衆人寄れば大木も動く。彼女と天宮和人が力を合わせても即座に人を見つけられないのなら、星谷由弥子が一人で不利な状況に陥るわけがなかった。

「誰を頼むつもりだ?」

「それは天宮社長には教えできない。天宮東輔に知られて、私の人探しの邪魔をされたくないから」

天宮東輔が異動させられたことは知らなかった...

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