第39章

信号が青からいきなり赤へ変わる。鷹司蓮矢はブレーキを一気に踏み込み、車体がぐっと沈んだ。

日向雫の身体が制御できず前へ投げ出され、次の瞬間、どさりとシートに叩き戻される。

不意に訪れた静寂の中で、鷹司蓮矢の声だけが落ちた。

「日向雫。新田朱音から聞いた。昔、お前――この人生で一番の夢は、俺に嫁ぐことだって願ったそうだな」

脳が一瞬でフリーズした。頬が「かっ」と熱を帯び、恥ずかしさと腹立たしさで胸が詰まる。

今すぐ新田朱音の口に針と糸を通して縫い合わせてやりたい――本気で。

それ以上に、過去へ飛んでいって、流れ星に向かって間抜けみたいに願い事をしたあの頃の自分を、思い切り殴り倒して...

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