第43章

日向雫は恩赦を受けた罪人みたいに、慌てて立ち上がって辞去した。ほとんど逃げるように書斎を飛び出す。

扉が閉まった途端、おじい様の顔から弱々しさがすっと消えた。いきなり机をばんっと叩き、髭を逆立てて目をむき、怒鳴り散らす。

「まったく、あのガキ! 鷹司蓮矢、あいつ身体に何か問題でもあるんじゃないのか?!」

「日向雫があれだけ器量よしで、教養もあって、心から尽くしてるってのに……どうして平気でいられる!」

腹の虫が収まらず、書斎の中を行ったり来たりしながら、扉のほうを指さして執事に言いつけた。

「執事! いちばん腕のいい専門医の予約を取れ! 明日すぐ検査に行かせろ! 本当に問題があるな...

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