第51章

鷹司蓮矢のその言葉が、どれほど滑稽だったか。

日向雫は思う。この五年、鷹司の母には事あるごとに難癖をつけられ、彼の友人たちには軽んじられの場面が、いったい何度あっただろう。そのたびに鷹司蓮矢は黙るか、どちらかと言えば母の側に立つかで、雫のために正面から盾になってくれたことなど一度もない。

守ってくれなかった時間が、雫の期待をとっくに使い切らせていた。

もう、この関係は終わりに向かっている。今さら彼だけが急に変わるはずもない。

本気にする必要もない。期待する理由なんて、どこにもない。

「……何か言うことはないのか」

鷹司蓮矢は、雫が微動だにしない様子を見て、理由のない苛立ちが胸の奥...

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