第67章

鷹司蓮矢の顔色はひどく悪く、唇までかすかに白い。

喉仏がごくりと上下し、彼はふいと顔を背けた。

「本邸に戻る」

それだけ言うと、彼はそのまま外へ向かって歩き出した。

日向雫は立ち上がり、黙ってあとに続く。

玄関先で、鷹司蓮矢が何の前触れもなく足を止めた。

反応が遅れた雫は、額をまともに彼の硬い背中へぶつけてしまう。鼻の奥がつんと痛み、涙がこぼれそうになった。

「運転手の件は、俺が片をつける」

ひと呼吸おいて、彼は続けた。

「二度と同じことは起こさせない。約束する」

鼻先をさすっていた雫の手がぴたりと止まり、彼を見上げる。

「……じゃあ、誰があの人に指示したのか、あなたは...

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