第91章

「蓮矢!」

 雨宮静佳が足早に追いかけてきた。勝ち誇った笑みを顔いっぱいに浮かべ、そのまま鷹司蓮矢の傍らへ飛びつくように寄ると、彼の腕にぎゅっとしがみつく。

「プロジェクト、取れたの!」

 顎をつんと上げ、目の奥に見せつけるような色を滲ませながら、甘える声で言った。

「あなたの期待、ちゃんと裏切らなかったわ。それに、鷹司グループにこんな大きな案件まで持ってこられたんだもの。だったら――ご褒美、くれてもいいんじゃない?」

 わざとよく通る声だった。

 しかもその視線は、挑むように日向雫をひと舐めする。まるで、自分の勝利を高らかに宣言するかのように。

 その光景は、新田朱音の目には...

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