第14章 彼を追い出す

廊下の突き当たりで、神崎雅臣はスマホを握り、窓の外の車の流れをぼんやり眺めていた。

受話口から、祖父の咳が聞こえる。ひとつ、またひとつ。

「お前も帰国してしばらく経つな。千尋とは、うまくやってるのか?」

弱った声。それでも、こちらの嘘を見抜く鋭さだけは残っている。

神崎雅臣は煙草の箱を取り出し、1本くわえた。ここは病院だ。火は点けない。

「順調だよ」

適当に取り繕った。

「そんな言い方で誤魔化すな」祖父が息を吸う音が混じる。「そのうち俺も帰る。帰ったら、お前たち夫婦の顔を見に行く。千尋をちゃんと大事にしろ。もし虐げてるって分かったら、脚をへし折るぞ!」

その直後、電話の向こう...

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