第213章 あのクソ野郎

必死に身体をよじって、拘束から逃れようとする。

だが神崎雅臣は、反抗する隙など一切与えなかった。大きな手が、まるで罰を与えるように容赦なく動き、邪魔な布を次々と引き剥がしていく。

ひやりとした空気が肌に触れた瞬間、夏目千尋はぶるりと震えた。

屈辱が、一気に喉元まで押し寄せる。

下唇を噛みしめ、声だけは漏らすまいと堪える。けれど涙は止まらない。目尻からこぼれ落ちた雫が枕に落ち、じわりと濃い染みを広げた。

神崎雅臣が唇を探して身を屈め、舌先にしょっぱい味が触れる。

ぴたり、と動きが止まった。

窓の外から差し込むかすかな光の中で、千尋が顔を背け、唇を血が滲むほど噛み、涙をぽろぽろ落と...

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