第215章 嫉妬する

夏目グループ一階ロビー。

黒いマイバッハが停まるや否や、神崎雅臣はドアを乱暴に押し開け、長い脚でそのまま中へ踏み込んだ。

白石深尾はブリーフケースを抱え、小走りで後を追う。

「お客様! どちらにご用件でしょうか。ご予約は――」

受付が慌てて追いすがり、背の高い男の前に回り込もうとする。

だが神崎雅臣は聞こえないふりをして、足を止めない。視線すらくれなかった。

白石深尾が慌てて受付の前に入り、名刺を差し出して小声で手短にやり取りする。

最上階、社長室。

神崎雅臣が扉を押し開けた。

室内は主灯が落とされ、デスクのスタンドライトだけが点いている。薄闇が部屋を満たしていた。

夏目...

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