第24章 二日間の夫婦

夏目千尋は眉をひそめ、汐見千由美をさっと背中へ庇った。

「すみません。あなたのこと、知りません。失礼します」

「待てよ。俺の時計ぶっ壊しといて、逃げる気か?」

鳴海奏斗は、さっき床に叩きつけられた腕時計を二人の目の前でひらつかせた。

「よく見えたか?」

声音が、すっと冷える。さっきまでのヘラついた笑いは消え、皮一枚の下にある苛立ちと傲慢さが剥き出しになった。

「世界で五十本の限定。価値は2000万。お前の連れが落としたんだ。説明は?」

汐見千由美の顔から血の気が引く。

反射的に夏目千尋の手を掴んだ。指先が冷たく、声まで震える。

「お姉ちゃん……どうしよう……」

夏目千...

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