第26章 ゲーム

夏目千尋が振り返って一瞥すると、汐見千由美は血の気が引いたように真っ青で、唇を小刻みに震わせていた。

今の怯えは、演技じゃない。

夏目千尋は前を向き直り、眉をひそめて鳴海奏斗を見る。

「この子は関係ない」

鳴海奏斗は両手を広げた。

「じゃあ、はっきり言ってくれよ。お前が賭けないなら、代わりに彼女がやる。二択だ。公平だろ?」

公平?

どこが――。

夏目千尋は拳を握りしめ、爪が掌に食い込む。

今この場に閉じ込められている以上、頷く以外に道はなかった。

深く息を吸い、胸の奥のざわつきを無理やり沈める。

「……いい。受けて立つ」

鳴海奏斗の目がぱっと光った。

周囲で野次馬し...

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