第31章 好き?

その言葉が落ちた瞬間、賭け卓の空気がぴたりと凍りついた。

鳴海奏斗の顔がひくりと引きつる。

夏目千尋を睨み据えたまま、胸が大きく上下するのに、しばらく言葉が出てこなかった。

少し離れた場所では、神崎雅臣が壁にもたれて、同じく夏目千尋を眺めている。

この女が部屋に入ってきた時点で、彼はもう目を留めていた。

鳴海奏斗に絡まれ、半ば無理やり卓につかされて、五局もやれば服まで剥がされかけた。

泣きついて助けを求めてくるだろう――そう思っていたのに。

来ない。

逃げないどころか、逆に鳴海奏斗を丸裸にしてみせた。

神崎雅臣が、声もなく口角をわずかに上げる。

面白い。

鳴海奏斗がよう...

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