第57章 骨折した

伯父さんと伯母さんは後部座席に座ったまま、どちらも言葉を返さなかった。

伯母さんはこっそり涙をぬぐい、何か言いかけて口を開いたものの、結局飲み込む。

伯父さんはドアにもたれ、深く息を吐いた。

夏目千尋はルームミラー越しに二人を見つめ、黙ってしまう理由が分かっていた。

中島玲子がこの家に嫁いできたこと自体が、最初から最後まで、泥沼の勘定なのだ。

中島玲子が被害者であること――そこは、彼らも認めている。だから家で彼女がどれだけ荒れても、どれだけ騒いでも、耐える。借りを返しているつもりで。

けれど、この借りはいつになったら終わるのか。

千尋は、それを口にはしなかった。

言ったところ...

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