第66章 結果が出るのを待つ

医師は検査報告書を閉じ、机の上に置いた。

「これまで私が見てきた確定例の中では、ここまで進行している場合……余命は、だいたい一年を超えません」

診察室が、数秒しんと静まった。

夏目千尋は、自分の鼓動がどくん、どくんと鼓膜を叩く音を聞いた。

一年。

頭の中でその二文字だけが何度も回るのに、どうしても夏目博夫と結びつかない。電話口で怒鳴り散らし、神崎雅臣に近づけと迫り、少しでも気に入らないと母の形見を盾に脅してくる――あの男が、残り一年?

「もちろん、現時点ではあくまで初期の疑いです」

医師が付け加える。

「別の要因で数値が乱れている可能性もあります。詳しい判断は、明日すべての結...

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