第166章

立花柚月は彼を押し退けようと手を伸ばしたが、目の前の男の色香に当てられたのか、それともアルコールのせいか、指先に力が入らない。

西園寺蓮はたやすく彼女の手を枕に押し付けた。力任せではない。指を絡め、恋人繋ぎにするだけで、彼女の抵抗をすべて封じ込めたのだ。

彼のキスが首筋に落ちる。低く、深みのある声が鼓膜を震わせた。

「俺のこと、嫌いじゃないだろ?」

立花柚月は答えられなかった。

嫌いではないどころか、彼のキスに溺れかけている自分がいたからだ。

彼女は生唾を飲み込み、無意識のうちに指先で彼の手の甲をひっかいた。

「そんなこと、しないで……」

抵抗する声に...

ログインして続きを読む