第193章

午後四時半。立花柚月は幼稚園へ子供たちを迎えに行った。

保護者の列に並びながら、子供たちが一人、また一人と迎えに来た親のもとへ駆け寄っていくのを眺める。夫婦揃って迎えに来ている家庭も少なくない。父親が子供を抱き上げ、その横で母親が何か楽しげに笑っている。

ふと、西園寺蓮が迎えに来ることは滅多にないな、と思った。

彼が嫌がっているわけではない。柚月自身が、それを些細なことだと捉えていたからだ。彼は毎日多忙を極めている。よほどのことがない限り、彼の手を煩わせたくないという遠慮があった。

だが今、こうして揃っている家族の姿を目の当たりにすると、胸の奥で複雑な感情が渦巻くのを止められなかった...

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