第196章

二時間が経過した。

ようやく、救命センターの扉が開く。

マスクを着けた医師が出てくるのを見て、立花柚月は弾かれたように立ち上がった。長く座り続けていたせいで足が痺れ、よろめきそうになる。彼女は慌てて壁に手をついて身体を支え、焦燥しきった声で尋ねた。

「先生、彼は……」

「負傷者は頭部への強い衝撃により、軽度の頭蓋内出血を起こしています。緊急処置は済ませました」

医師の口調は淡々としていた。

「現在のバイタルは安定していますが、頭蓋内圧亢進を防ぐため、ICUに移して二十四時間の経過観察が必要です。それと、中程度の脳震盪を起こしており、いつ意識が戻るかはまだ何とも言えません」

「そ...

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