第197章

その言葉はあまりに正論で、湯川七海はぐうの音も出なかった。立花柚月の平然とした横顔を見つめ、心の中で嘆息する。

恩は恩、情は情。彼女はその境界線を明確に引いているのだ。

「その通りだ」

湯川七海は顔を乱暴に拭った。むしろ自分の方が、甘い考えをしていたのかもしれない。

「介護士はいつ来る? それまで私がここにいよう。手配した人が来たら帰るから」

「あと三十分で到着するわ」

立花柚月がスマホをしまった時だった。

看護師が黒田大河の包帯を替えようと入室したが、すぐに血相を変えて飛び出してきた。

「意識が戻りました!」

廊下にいた三人は顔を見合わせ、すぐさま病室へと駆け込んだ。

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