第93章

「本当に……反吐が出るわ」

立花柚月は悟っていた。これが最終的な結末であり、これ以外の可能性はもう残されていないのだと。

唯一の証拠は持ち去られた。

唯一の証人も、すでに口封じされた。

彼女は八方塞がりだった。

過去二十数年、彼女が味わってきた苦痛と挫折といえば、隣人による性被害と、ばら撒かれたリベンジポルノくらいのものだった。

そんな中で、黒田大河と出会った。

すべての苦難は終わったのだと、そう信じていた。

だが今日、思い知らされた。それこそが、本当の地獄の始まりだったのだと。

彼女は黒田大河をじっと見つめた。

そして、きびすを返した。

床に落ちたそのカードを、彼女は...

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