第118章

「市場価格の二倍……?」

天城澪は小野隼人を横目で睨んだ。

「小野社長。まさか、二重人格か何かじゃありませんよね」

「以前あなたと組んだときは、散々私に難癖をつけて、あれこれ邪魔ばかりしてきた」

「それが今さら、相場の二倍を出してまで九条グループと組みたいなんて……目的がまともだと信じろっていうほうが無理です」

そう言い捨て、澪は企画書に視線を落とす。

この山荘は、J市のリゾートとは違う。敷地は小さいが、立地がとにかくいい。しかもデザインコンセプトは中国風――澪がこれまで本格的に手を出してこなかった領域だ。

平安京大内の案件も、基本は復元で、そこに少し自分の工夫を足した程度。純...

ログインして続きを読む