第12章

九条裕也は天城澪の頭をくしゃりと撫で、声を落として言った。

「おばあさんのことは、もう手配してある。顔を見に行くか?」

天城澪の瞳から光が消える。

「行く」

――自分の手で、きちんと見送らなければならない。

九条裕也は秘書を呼び、天城澪を車に乗せると、踵を返して別の方向へ歩き出した。

路肩に停めた車へ乗り込む。冷えた横顔に、危うい色が差す。

「高橋家は最近、城西の案件を入札してるな?」

九条裕也が秘書に問う。

秘書は即座にうなずいた。

「はい。順当にいけば、その案件は高橋家が取る見込みです」

高橋雅子が九条家の人間だ。関係各所も、その顔は立てる。

九条裕也は鼻で笑った...

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