第154章

外川絢那の詰問に、九条高司は口元だけをわずかに吊り上げ、落ち着き払って返した。

「外川さん、どうかお静かに」

「今回の案件は九条グループとの共同プロジェクトですが、担当者を名指しで指定されたわけではありません」

「叔父が私に任せた以上、私ならやれると判断したということです」

そこで九条高司は、さらに念を押すように言葉を重ねる。

「外川さん、ご安心ください。このプロジェクトを失敗させたりはしません」

「――では、始めてもよろしいですか?」

ここまで言われて、外川絢那が気づかないはずがない。自分は九条賢治に、きれいに一枚噛まされたのだ。

赤い唇を噛み、瞳の奥に怒りが燃え上がる。

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