第161章

立木宣人が問いかけた。

九条裕也は少し考える。

立木宣人は確かに、これまでに彼女が二人いた。

もしかしたら――あいつのやり方は、効くのかもしれない。

いつもなら雷鳴のごとく決断する九条社長が、初めて迷った。

しかも理由は、たった一人の女を機嫌よくさせるため。

翌日。

天城澪が出社すると、自分のデスクに大きな薔薇の花束が置かれていた。

周囲の視線が一斉に集まる。羨望混じりの、ざわめき。

澪は戸惑いながら近づいた。

――誰が、私に花なんて。

花束にはカードが挟まっていた。澪が開く。

差出人は、九条裕也。

天城澪は固まった。

九条裕也が花を贈ってきたのは、これが初めてだ...

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