第167章

天城澪は、思わず笑ってしまった。

九条和也が一途?

冗談じゃない。たとえいつか自分が気でも狂ったとしても、九条和也とヨリを戻すなんてあり得ない。

一方で九条裕也は、ずっとあの女の写真を隠し持っていて、結婚前にも「助けたいだけだ」とはっきり言っていた。あれは確かに、ある意味で“惚れた弱み”だろう。

そう考えると――ここまでの道のりで、九条裕也は確かに彼女を何度も助けてくれた。

だからこそ、天城澪は思ってしまう。

自分がこの場所に居座り続けるのは、もう違うんじゃないか、と。

くだらない噂話のせいで仕事に集中できず、頭まで痛くなってくる。

時計を見ると、もう夜の9時だった。

天城...

ログインして続きを読む