第169章

「絢那、どうした?」

マネージャーが不思議そうに彼女を見た。

外川絢那は甘い笑みを作る。「ちょっと用事があるの。あなたたちは先に戻ってて」

「まだ記者もファンも多いのに、どこ行くつもり?」

マネージャーは露骨に渋い顔をする。

「用事があるの」

九条裕也は泥酔している。部屋さえ突き止めて、既成事実を作ってしまえばいい。

そうなれば天城澪は――消えるしかない。

そう思うと、外川絢那はスマホを取り出し、懇意にしているパパラッチに連絡した。張り込みと撮影を頼む。

そして自分は、ペントハウスのあるフロアへ向かった。インターホンを押す。

このチャンスを逃すわけにはいかない。

九条裕...

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