第171章

秘書が、言い淀みながら口を開いた。

九条裕也が冷えた声で問う。

「……何があった」

秘書はタブレットを差し出した。そこには、ゴシップ記者が投下した投稿が表示されている。たった一晩で、ネット中を焼き尽くす勢いで拡散していた。

九条裕也の瞳が沈む。

「誰の仕業だ」

「芸能担当の記者です。昨日、外川絢那さんのファンミーティングに来ていて……そこで遭遇したようで」

秘書は包み隠さず答えた。

こちらも即座に削除依頼をかけた。だが相手は時間を稼いだ。ようやく消えた頃には、もう手遅れだった。

転載、スクショ、まとめ。

消しても消しても、増えるだけ。

九条裕也はタブレットを乱暴に脇へ放...

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