第173章

天城澪はよろめきながら、小走りで男の歩幅に追いつこうとした。

「今の、九条グループの社長じゃないか!」

「天城澪って何者なんだよ。小野社長が後ろ盾なだけじゃなくて、九条社長とも知り合い?」

「どうせ名門界隈の“囲われもの”だろ」

グループ会社を行き交う人間のほとんどが、その一幕を目撃していた。

九条裕也は有無を言わせず彼女を連れ出し、車へ押し込むと、そのままアクセルを踏み込んで邸宅へ戻った。

道中、二人は一言も交わさない。

澪の胸の中の悔しさだけが、じわじわと膨らんでいった。

ツイッターの件について、九条裕也は何ひとつ説明しない。

澪は窓の外へ視線を逃がし、彼を見ないように...

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