第31章

九条家。

九条和也は高橋雅子に泣きついた。

「また天城澪? いい加減、学習しなさいよ。いつになったら懲りるの」

高橋雅子の叱声に、九条和也は俯いたまま黙り込む。

とはいえ実の息子だ。高橋雅子とて、見捨てるわけにはいかなかった。

「しばらく大人しくしてなさい。訴えるなら訴えればいい。おじいさまは今夜戻られる。九条裕也に好き勝手させっぱなしにはしないわ」

このところ高橋雅子は、九条裕也に何度も面目を潰され続けていた。胸の奥に溜まった鬱憤が、今にも噴き出しそうだ。

――あの人だって、九条裕也が素性の怪しい女を嫁にするのを許すはずがない。

九条和也は不安げに眉を寄せる。

「でも……...

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