第40章

天城澪の白い頬が、かっと熱を帯びて赤く染まった。

唇をきゅっと結び、平静を装って言う。

「……あ、あなた、飛行機に間に合わなくなるよ」

話題を逸らした、その瞬間。

ちゅ、と軽い感触が額に落ちた。

男の低く艶のある声が、どこか甘く耳をくすぐる。

「別れのキス」

それを聞いた途端、天城澪はびくりと肩を震わせた。頬が燃えるみたいに熱い。

鏡なんて見なくてもわかる。きっと、真っ赤だ。

澪は勢いよく九条和也を押し返し、ぷいと背を向けた。

「思い出した。用事あったんだ。先に入るね」

そう言い捨てて、逃げるように駆け出す。

車がエンジンをかけ、走り去っていく音がしてようやく、胸の奥...

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