第81章

九条高司はすぐに腑に落ちた。笑みを浮かべて頷く。

「承知しました、叔父上。この案件、全力でやり遂げます」

ほどなくして端陽の節句がやって来た。

高橋雅子は朝早くから屋敷へ顔を出し、家宴の支度を手伝いながら、九条賢治の口から九条高司の近況を探ろうとする。

「お父さま。裕也さんが高司に本社の案件を任せたって……そんなの、勝手すぎません? 高司は隠し子なんですよ。家の案件に触れさせるなんて」

「裕也には裕也の分がある」

九条賢治はちらりと目を上げ、声を硬くした。

高橋雅子は、賢治が昔から裕也に甘いのを知っている。だが家の利害が絡めば引き下がれない。愛想笑いを貼りつけたまま、言葉を継ぐ...

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