第296章

恵子さんは家でスープを煮て、慌ただしく病院へ駆けつけた。病室の扉を開けた途端、二人がぴったり寄り添っているのが目に入り、くすっと笑ってそのまま出ていこうとする。

「恵子さん!」

岡崎愛乃が気づくなり、慌てて七沢聡を押しのけた。頬を膨らませるようにして、

「どこ行くのよ!」

すると恵子さんは戻ってきて、からかうように笑う。

「お邪魔したくないじゃない、あなたと坊ちゃまの時間に」

「違いますってば」愛乃は手を伸ばし、親しげに言った。「ほら、こっち座ってください。何日も会ってなかったから……会いたかったんです」

聡は立ち上がって場所を空ける。

「恵子さん、どうぞ」

そう言った直後...

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