第299章

岡崎愛乃は身をかがめ、病室の中をそろりそろりと一周した。小川愛の底抜けに明るい笑い声が背中を押す。最後はベッドによじ登るようにして腰を下ろす。

三人がこうして顔をそろえるのは久しぶりだった。せっかく会えたのだから、話が尽きるはずもない。

「ねえ、旦那さんは? 見かけないけど」

彦田美亜が興味津々に尋ねる。

愛乃は肩をすくめた。

「朝イチで会社に行ったよ。最近ずっと忙しくてさ」

「じゃあさ、昨日は出産のあとに、誕生日のお祝いとかしてくれた? 簡単なのでいいから」

美亜がさらに突っ込む。

愛乃は吹き出しそうになり、くすっと笑った。

「ねえ、二人に話したいことがあるの。絶対びっく...

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